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平成20年12月20日に平成21年度予算案が各省に当初内示(22日に追加内示)されました。 平成21年度廃棄物・リサイクル対策関係歳出予算(案)の概要(平成20年12月22日)(PDF形式:531KB)、平成21年度一般廃棄物関係予算(案)の概要(平成20日12月22日)(PDF形式:1580KB)、平成21年度環境省予算当初内示の概要、 平成21年度環境省重点施策、平成21年度環境省予算(案)事項別表、平成21年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要 |
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廃棄物処理施設関係予算は約806億円で、前年度予算額に対し約45億円のマイナス、対前年度比では94.8%となりました。当工業会事務局では毎年この時期に、工業会会員の立場にたって次年度の予算案についての考察、評価を試みております。以下にその結果を述べさせていただき、会員及びその他の廃棄物処理施設整備事業に携わる方々の参考にさせていただければと考えます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◇政府原案の概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成21年度の予算案は、厳しい経済状況から歳入が伸びないことを反映し、30兆円以上の新規国債を発行して約89兆円の歳出総額となっています。 その中で、平成21年度の公共事業費については、財政健全化、公共事業費抑制の方針により引き続き削減されています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
こうした中、21年度予算案で、「循環型社会形成推進交付金」などの施設整備費関連については、予算額全体では約45億円(△5.2%)のマイナスになっておりますが、その減額の大半はPCB処理施設関連であり、 循環型社会の構築を進める「循環型社会形成推進交付金」を含む一般廃棄物処理施設経費は所要の額(対前年度103.1%)が計上されており、今後の循環型社会構築、3Rイニシアチブの推進が図られる予算となっています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
以下、主な事項を紹介します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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◇施設整備費関連 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[循環型社会形成推進交付金などの拡充] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成21年度予算案では、当工業会メンバーにとって関心の大きい「循環型社会形成推進交付金」などの廃棄物処理施設整備費については、交付金総額が伸び、補助金やPCB処理事業関連の補助金が減少する中で総額は若干の減少となっていますが、廃棄物分野での更なる温暖化対策を推進するため、高効率ごみ発電への1/2支援、施設の延命化を図ることを目的とした長寿命化計画策定支援事業など、以下の事業が新たな交付対象とする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
85,045百万円→80,588百万円
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(再掲)循環交付金(一般廃棄物) 40,728百万円→45,848百万円
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○循環型社会をリードする高効率ごみ発電施設の導入推進 焼却処理に伴い生じるエネルギーの有効利用を行う高効率ごみ発電施設について、低炭素社会実現の切り札として交付率1/2の積極的な拡充支援を行う。 |
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○効率的なごみ収集・輸送を実現するための施設整備の推進 廃棄物分野における更なる温暖化対策の推進のためにもなり、効率的なごみの収集・輸送と更なる広域化・集約化を図るために必要となる、収集した廃棄物の圧縮・積替えなどを効率的に行う施設について、交付金の対象とする。 |
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○効率的な汚泥処理のための設備の増強 汚泥の効率的なバイオマス利用を一層促進するため、汚泥再生センターと一体的な浄化槽汚泥処理システムを構築する場合に、汚泥再生処理センターの前処理設備としての汚泥濃縮装置(移動式を含む)を交付金の対象とする。 |
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○廃棄物処理施設における長寿命化計画策定支援 既存ストックの有効利用を図るため、廃棄物処理施設の性能を満足しつつ延命化を図ることを目的とした施設の長寿命化計画の策定について支援を行う。 |
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[廃棄物系バイオマス次世代利活用推進事業] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大都市部、中都市部、農村部等の地域特性に着目しつつ、廃棄物系バイオマスの具体的かつ実践的な再生利用手法を提示するため、各種廃棄物系バイオマスの発生抑制、利活用手法について飼料化、メタン化等数多い選択肢の中から有効なパターンを選び出し、分別方法、収集運搬体制も含め、モデル地区において実証・評価を行う。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
334百万円→334百万円
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[廃棄物処理施設における温暖化対策事業(エネ特会)の推進] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2,117百万→2,167百万円
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廃棄物処理業者(一般廃棄物処理業者、産業廃棄物処理業者)などが行う高効率な廃棄物エネルギー利用施設及び高効率なバイオマス利用施設などの整備事業(新設、増設または改造)について、これに伴う投資の増加費用に対して、1/3、1/2の補助を実施する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
また、工場単位で行っているごみ発電を複数工場全体で統合管理し、ごみ発電量を最大化・最適化する「ごみ発電ネットワーク事業」と、廃棄物焼却施設から発生する中低温域の余熱を熱導管によらず車両で需要側の施設に輸送する「熱輸送システム事業」に対して、補助を行う。 21年度より廃棄物発電事業においては「発電効率」の向上が10%以上の既存施設の更新についても支援の対象とする。 |
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[廃棄物処理システムにおける革新的な温室効果ガス排出抑制対策検討調査(エネ特会)] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
50百万円→50百万円
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「低炭素社会」・「循環型社会」の両方に貢献する3Rシステムを具体的に提示し、また、2050年までに温室効果ガスの排出量を半減できるようなロードマップを示すべく、市町村等への調査、モデル実証の実施などを行い、廃棄物処理に伴う温室効果ガスの排出削減に向けて、その成果を普及させていく。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[低炭素型「地域循環圏」整備推進事業] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→64百万円
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CO2等の温室効果ガスなど排出量を念頭におきつつ、地域の特性や循環資源の性質等に応じた最適な規模の循環を形成するための調査、検討を行う。 また、各省連携による基盤整備等の支援を活用し、住民生活に密着した先進的な取組を支援するなど、低炭素社会づくりとも連携した地域循環圏を総合的・計画的に実現する。 |
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◇研究開発関連 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[循環型社会形成推進科学研究費補助金] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1,135百万円 →1,803百万円
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2050年までに温室効果ガス半減という目標に向けて、3R技術やバイオマス利活用についての研究・技術開発を一層推進する。 特に、「3R推進に係る研究」、「廃棄物系バイオマス利活用研究」、「循環型社会構築を目指した社会科学的複合研究」、「漂着ごみ・アスベスト廃棄物対策に係る研究」を重点テーマに設定する。 また、戦略的に推進すべき革新的技術であるレアメタル回収技術について、廃棄物分野での早期の技術確立を目指し、「レアメタル回収技術特別枠」を設ける。 |
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[地球温暖化対策技術開発事業の一部(循環資源由来エネルギー利用技術実用化開発):エネ特会:競争的資金] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3,710百万円 →3,805百万円
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従来の基盤的な温暖化対策技術開発事業の中で、新しく重点的に取り組むテーマの一つとして循環資源由来エネルギーによる高効率発電技術等の実用化に係る技術開発・実証を行う。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[廃棄物処理施設における水銀等排出状況調査] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→8百万円
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水銀等重金属についての国際的対応について検討と、国内における安全対策強化を図るため、収集、運搬、分別の実態把握から、廃棄物処理施設、リサイクル関連施設等における、水銀、鉛及びカドミウム等重金属の実態調査を行い、その処理構造、行程等における物質フローを明確にするとともに、最適な処理方法について検討する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[広域震災廃棄物対策調査] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→8百万円
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首都圏域での取り組みに続き、中部・近畿圏域の府県市町村に対して、災害時の廃棄物処理に係る相互協力体制の整備を促すための検討会を設置し、広域防災マップの作成等、広域調整、技術支援を行う。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◇3R強化関連 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
従来から、3R社会構築のため、各種の政策予算が計上されているが、以下の事業が新規に計上された。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[使用済み電気機器の有害物質適正処理及びレアメタルリサイクル推進事 業費] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→100百万円
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適正かつ効果的なレアメタルのリサイクルシステムの構築を目指すべく、使用済電子機器の回収活動で先行している自治体等と連携し、いくつかの地域で実際に多種多様の使用済電子機器をさまざまな方法で回収することにより効率的・効果的な回収方法の検討を行う。 また、回収した機器のレアメタルの含有実態の把握等を行うとともに、レアメタルリサイクルに係る有害性の評価及び適正処理などについて検討を行う。 |
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◇アジア循環型社会構築に向けた取組み関連 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アジア低炭素・循環型社会構築力強化プログラム事業] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→153百万円
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神戸で開催したG8環境大臣会合でわが国が表明した「新ごみゼロ国際化行動計画」や「クリーン・アジア・イニシアチブ」に基づき、わが国の知見・経験を最大限活用し、温暖化対策としての効果も追及しつつ、アジア各国での3Rの戦略的実施を促進する。また、資源循環に関する情報・知見の整備、3Rの優良取組事例の創出に総合的に取り組む。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[し尿処理システム国際普及推進事業費] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0百万円→21百万円
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国連ミレニアム開発目標に掲げられた、衛生的なトイレを使用できない26億人の人口を半減させるという国際的な衛生問題の解決のために、水の安全保障研究会において示されたわが国の貢献として、浄化槽やし尿処理システムの国際普及を図る。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◇産業廃棄物関連 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[ITを活用した循環型地域づくり基盤整備事業] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
155百万円→159百万円
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電子マニフェストの利用割合を平成22年度に50%に拡大することを目指し、説明会やWEB版マニフェストの作成を通じて中小事業者の利用促進を図るとともに、普及拡大と災害に対応できるようにシステムの増強を行う。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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