日本環境衛生施設工業会の会長に就任致しました古川です。どうぞ宜しくお願いいたします。
 就任に当たりまして、まず、これまで4年間、当工業会の発展にご尽力されました羽矢(惇)前会長に御礼を申し上げたいと思います。
 1962年に当工業会が発足し、歴代の会長がおられ、先の会長を羽矢前会長に務めていただきました。後任の私で潰さないようにしなければならないと、今、身が引き締まる思いです。

「迅速な災害廃棄物対策に貢献」

 この3月11日の14時46分で、すべて世の中が変わったと言われています。課題は山積していますが、羽矢前会長が築かれてきた路線をしっかりと踏襲しながら、また新しいことを皆さんとともに付け加えていきたいと思っています。
 特に、東日本大震災において、羽矢前会長もこの総会の冒頭で言われていたとおり、トータル2500万トン以上の廃棄物があるということです。これを迅速に、10年、15年かけて処理するということでなく、少なくとも2年、3年以内に片付ける必要があります。そうしなければ、復旧から復興へという流れにはなりません。われわれ工業会でも、しっかりと皆さんとともに知恵を出していく必要があると思っています。
 また、これからの社会のあり方でいいますと、この3月11日以降、集中化の発想で進められてきたものが、分散化も非常に大事であるという認識に変わってきていると思います。
 私の会社は、本社が関西ですので、常日頃は大阪にいますが、東京一極集中から、関西で首都機能を補完するとか、あるいは西日本がしっかりと東日本を支えていくとか、いろいろなことが提言されています。

「再生可能エネルギーとしてのごみ発電の促進」

 エネルギーにしても、今や原子力発電の推進の見直しが避けられません。決して、原子力発電なしに日本のエネルギー問題が解決することにはなりませんが、原子力一辺倒ということではなく、あらゆるエネルギーを利用していく必要性が大きくなったと思います。
 その再生可能エネルギーというものを考えたときに、われわれが関与する廃棄物発電が、大いに役立つのではないかと考えています。既に、当工業会では、廃棄物発電の全量買い取り制度等において、いろいろな取組みを行っていますが、今後、これまでの取組みを拡大していきたいと思います。
 私が常日頃感じているのは、廃棄物発電の稼働率の高さです。今脚光を浴びている再生可能エネルギーとなると、まずは太陽光発電、そして風力発電、地熱発電。これらの実際の稼働率は、太陽光発電で10%、風力発電で20%と言われています。これに対して、廃棄物発電は概ね天候に左右されませんので100%に近い稼働率になります。これは非常に価値の高い発電です。
 いろいろな講演会に出ますと、大体、太陽光発電とか風力発電というようなことを発表する社長は、非常に脚光を浴びます。私は、いつも「ごみ発電」を提言するのですが、それに比べるとそうでもありません。当工業会を通じて、羽矢前会長が行われてきたごみ発電の普及を、さらに高められるように努力していきたいと思います。
 
 もう一つの課題は、いわゆる公共予算の確保と発注方式の変化に対する対応です。廃棄物処理に対する交付金等が減額傾向にありますが、投資額の確保が必要ですし、建設・運営一体事業研究会の取組みを発展させていきたいと思っています。
 
 また、本来は冒頭に申し上げるべきところでしたが、3月11日の大震災でいろいろ被災に遭われた皆様にお見舞いを申し上げるとともに、今後の復興に向けて、当工業会も業界を挙げて協力をさせていただく所存ですので、よろしくお願いいたします。
 
 最後に、本日は、環境省、関係諸団体の方々にもご参集いただきまして、本当にありがとうございます。ご参会の皆様のご支援を得まして、任期の2年間を全力投球で頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
 ここにご参会の皆様、会員各社のますますのご繁栄を祈念し、就任の挨拶に代えさせていただきます。本日は誠にありがとうございます。

(5月24日の総会懇親会会長挨拶速記録から掲載)

会 長 古 川  実
[日立造船株式会社 代表取締役 
取締役会長 兼 取締役社長]
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