このたび第50回の通常総会で会長に就任いたしました。
 会員の皆様のご協力をいただきながら、環境衛生施設の技術開発、普及のため、ひいてはわが国における3R活動の推進等を含めまして循環型社会の実現のために今後精一杯努力してまいりたいと思います。
 当工業会は、1962年の発足以来45年という長い歴史を有していますが、会員各社は、それぞれ優れた技術で廃棄物処理施設の整備に貢献し、わが国の生活環境整備の発展にいささかなりとも寄与したのではないかと考えております。同時に、その間に培われました会員各社の技術力は、国内のみならず国際的にも高い評価を得ております。今後とも会員各社が切磋琢磨して循環型社会の構築、温暖化対策の推進といった新しい社会の流れに貢献してまいりたいと思います。

 近年、われわれを取り巻く環境をみますと、公共事業抑制の流れや逼迫する自治体財政の影響で、発注量が減り、厳しい状況であります。しかしながら、われわれが提供する施設そのものは世の中にとって必須の存在でありますし、性能にすぐれた技術をコストパフォーマンスも考えながら世の中に提供していくことの重要性はいささかも変わっていないと思います。最近の将来予測では今後のマーケットにも明るい兆しがみえてきたようです。
 ただ、最近の契約状況を見ますと、予定価格に対して低すぎる契約価格、建設だけでなく維持管理を含めた長期にわたる責任を伴う契約内容といった過去になかった事例が増えてきています。こうした多様化する契約の流れの中で、コンプライアンスの徹底はもちろんのことですが、われわれの技術が社会各層の皆様に適正に評価されますよう一致協力して努力をしてまいりたいと思います。

 また、「脱温暖化社会」への対処というテーマが従来にもまして重要になってきています。今後は、CO2の発生量を減らす処理技術、ごみの持つエネルギーの回収技術などの新しいニーズに対しても各社の技術が大きく発揮できるのではないかと考えています。さらに、技術には国境がありません。これまで国内で培った技術をさらに磨き、日本のみならず海外においてもお役に立てればと考えております。

 最後になりますが、当工業会の置かれた状況は、前途に少し光明が見えたとはいえ、相変わらず厳しいものがあります。その中で、これまで果たしてきました当工業会の社会的責務・役割を今度とも果たしていきたいと願っておりますので、関係者の皆様方からのご指導、温かい激励をお願いしまして私のごあいさつとさせていただきます。

会長 羽矢 惇
[新日鉄エンジニアリング(株) 代表取締役社長]
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