循環型社会の実現を担い、また国際的にも優れた技術の提供に努める  
(社)日本環境衛生施設工業会 副会長 森下 忠幸

副会長 森下 忠幸 明けましておめでとうございます。皆様には日本環境衛生施設工業会の事業に関し、日ごろから格別のご指導とご支援をいただいておりますことを厚く御礼申し上げます。
 廃棄物関係の平成十七年度政府予算原案は、国と地方のいわゆる三位一体の税財政改革の第二年目を受けて予算総額はだいぶ減少し、また制度面で大幅な変更になり、従来の廃棄物処理施設整備費補助金は、広域的に循環型社会の構築を目指す取り組みを対象とした循環型社会形成推進交付金に改められました。
 この交付金は従来の補助金とは異なり、施設整備を進める自治体にとって、より柔軟、弾力的な性格の制度になるものと期待されますが、交付額は対象事業費の三分の一(従来はごみ処理系四分の一、し尿処理系三分の一)となり、循環型社会をリードする先進的モデル施設は二分の一と制度的には改善されています。ただし、総額が減少したのは、ここ数年ダイオキシン対策による施設整備の前倒しと市町村合併の動向をにらんだ後送りなどによる補助金の要望の低下に大きな原因があるからと思われます。
 循環型社会形成推進交付金の対象施設としては、循環型社会の形成を進めるための幅広い施設が具体的に示されており、汚泥再生処理施設、リサイクルセンター、熱回収施設(ごみ燃料・高効率)、廃棄物原材料化施設、高効率原燃料回収化施設(モデル)が含まれるなどメニューが拡大されましたことは施設・設備を供給するわれわれメーカーの立場としても心強いものがあります。
 この税財政改革は平成十八年度まで続けることになっておりますが、市町村の廃棄物処理施設は、耐用の度合いから見て、数年後から大規模の建替え需要が始まることが予測されていますので、その整備の在り方について、今後、広域的対応、循環型社会に貢献する施設の促進の観点から関係者が真剣に方策を検討すべき時にきていると思われます。
 他方、本年二月から京都議定書が発効する予定ですが、こうした脱温暖化の推進や環境税の議論の高まりの中で、将来の廃棄物処理のあり方に変化が予想されますし、その中で当工業会も一定の役割を果たす必要があると感じております。
 日本環境衛生施設工業会は、全国の市町村等に対して優良な廃棄物処理施設等を提供することを目的として昭和四十三年に設立許可を受けた公益法人で、以来広範な活動をしております。その一環として、国の基準や指針等の策定に関連して会員メーカーのスタッフが、専門家として最新の技術情報を提供し、また各種研修会や講習会へ講師として参加するなど、いわば縁の下の力持ち的支援を行っていることは自讃してもよいかと思います。
 これらの成果は当工業会の出版物やインターネット等を通して関係者各位のお手元にお届けしておりますが、一般の皆様にもご覧いただいている当会のホームページからは、「機関誌JEFMA」など定期刊行物のほか、「ごみ処理施設ガイドブック二〇〇一」や「水処理施設ガイドブック二〇〇三」に引き続き「産業廃棄物処理施設ガイドブック二〇〇四」もダウンロードできますので、ぜひご覧いただきたいと存じます。
 当工業会の会員各社が磨き上げたきめ細かな技術は国際的に誇れるものであり、このことは、当会の調査団による海外諸国の視察で証明され、また施設を納入した各国からも賞賛を得ているところであります。われわれは、これまで以上に高品質、高信頼性の施設を、誠意をもって提供いたすよう専心努力いたす所存ですので、どうぞ旧に倍しましてよろしくお願いいたします。おわりになりますが、皆様方のご健康とご活躍をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

(1月1日 ウエイストマネジメント紙〔環境産業新聞社〕用)
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